ナンピン買いの難しさ

ナンピン買いのリスク

2018/3/31更新

 

買った後、残念ながら下がっていくことはどんな投資家であってもよくあることです。

 

みなさんなら、持ち株が下がったときあなたならどうしますか?

 

1.売らずに耐える
2.損切りをする
3.さらに買い増す(ナンピン買い)

 

状況により毎回答えは変わると思いますが、大きく分けると上の3つのどれかになると思います。

 

下げていくにつれナンピン買いをしていき、 その後損益プラスになったら売るという考え方の人もいるとは思いますが、 それはやり方によっては実はリスクが高いとても恐ろしい考え方です。

 

ナンピン買いはカジノのルーレットで絶対勝ち続けられる理論とよく似ていると言われていますよね。マーチンゲールの法則です。

 

とにかく毎回、黒か赤に掛けるとして、始めの掛け金は1ドル。

 

そこで当たれば1ドルのプラス。そして当たったら再び1ドル掛ける。

 

外れたら今度は2ドル掛ける。ここで当たれば2ドルもらえるので前回負けた分1ドルを差し引いて結果1ドルのプラス。

 

当たった場合は、また1ドルに減らして掛ける。外れると次は2ドル、また外れると今度は4ドル掛ける。そこで当たれば4ドルもらえるので、負けた額1ドルと2ドルの合計3ドルを差し引いて通算1ドルのプラス。

 

そしてまた1ドル掛ける。

 

3回連続で外れたら次は8ドル。4回連続で負けたら16・・・32・・・64ドル・・・と当たるまで掛け金を2倍ずつ増やしていく。

 

こうして、当たるまで掛け金を2倍に増やしていけば当たったときには、
必ず全ての負けを取り戻してさらに1ドルプラスになる。

 

はずれで終わらない限り絶対勝てる方法ですよね

 

一見にリスクのないようなまるで必勝法のように思えますが大きな落とし穴があります。

 

大きな落とし穴といのは、負けるごとに掛け金が倍々に増えていき、たった1度の過ちでとんでもない被害になるというリスクです。

 

例えばもし、10回連続で外してしまったら次は1,024ドル掛けないといけません。

 

そしてそこで当たったら負けをすべて回収した上で1ドルのプラスですが、反対に外したら次は2,048ドル掛けないといけません。

 

さらに負けが続いて15回外し続けたら次は32,768ドル掛けないといけないんです。

 

ということで、ハズレた場合次の掛け金を2倍にしていけば、いつかは負け額をすべて回収してか必ず1ドルのプラスになるというとんでもない必勝法のように見えますが、

 

現金が尽きた時点で負けが確定

 

しかも負けたときの額が半端じゃないです。勝つときは1ドルしかプラスにならなのに。。。

 

これはとんでもないリスクです。

 

10回連続外れた時点で-1023ドル、15回だと32767ドル負けている状態です。

 

15回連続で負けて資金が尽きてしまい、また1ドルから掛け直してコツコツ負けを取り戻すにはあまりにも道のりが遠すぎますよね。

 

(勝つ確率が圧倒的に高くて、負ける確率が低いとしても)勝つときは少額。負ける時はとんでもない額。

 

このリスクは、ナンピン買いも同じです。

 

ナンピンしてても損切りする場合がある。そのときの負け額はとても大きな損失額になる・・・

 

市場全体に雰囲気が良いときは問題ないかもしれないですが、極端な例を出すとバブル崩壊時などは、下げても下げてもナンピンをして平均買い単価を下げて何とか損益プラスにしようとしたものの、反発の兆しすらみせずに更に下がり続けてとんでもない大ヤケドを負った人が山ほどいたと思います。

 

ナンピン資金が切れてなお、下げ続ければ買値との乖離は開く一方で、投入している資金が初めより増えているので、少しの下げでも損失額がすごいスピードで増えていきます。

 

また、ナンピンして平均買い単価を下げる人は必ずプラスになるまで持ち続けられるかといえばそうではありません。

 

どんな人でも必ず自分が許容できる損失額というのがあるはずです。

 

ナンピン派の人はその許容額(許容率)が高いだけです(違う人から見たらリスクを取りすぎている)

 

ナンピンする資金も無くなった上でさらに下げた場合は、もう数年単位で放置する覚悟を決めるか、もうどうにでもなれっとブン投げる可能性もあります。

 

ここにナンピンのリスク(欠点)があります。万が一、ブン投げた場合の損失額が大きすぎるんです。

 

暴落相場の経験がなく上昇相場しか知らない人は、

 

「株を買った後、放置プレイをしておけばいつかは買値まで戻るから、ブン投げることなんて絶対無い」

 

という人もいるかもしれません。

 

 

しかし、バブル崩壊を経験した人はきっと、

 

「右も左も何も分かってないな。そのやり方で勝つのは相場環境が良い今だけで、必ずいつか大きくやられて退場することになるよ」

 

と思うでしょう。

 

そして、

 

ナンピン派に見られるもう一つの欠点

 

ナンピンは負けを認めない投資方法とも言えます。

 

ナンピン派の人は、買値まで戻って損失がゼロになったところでホッとして売る「やれやれ売り」をする人が多いです。

 

下げに伴いナンピンを繰り返して、平均買い単価を下げ、損失確定売りをする確率を下げる行為は、先のルーレットの例えに似ていますが、ルーレットのように最終的に勝つという確率が高くても勝つときはほんの少額で、万が一でも負けるときはとんでもない額を負ける可能性があります。 (さらに時間の効率もよくありません)

 

買い下がっていき損切りせず保有時間も伸ばしても、平均買値に戻る確率は理屈的には100%じゃないです。(例え株券を墓場まで持っていったとしても)
地合いがよければ、勝てる可能性は高いかもしれませんが、ルーレットでいう10連敗(確率は0.1%程度)のようなものが来たときは、立ち直れないくらい思いっきりやられます。

 

バブルの時に上場したNTTを買い下がっていた人は、途中で資金が切れて大損状態で塩漬けにしたか、10年かかってやっと取り戻せたか取り戻せないかのレベルだと思います。

 

「ナンピンは無条件で悪」ではなく、「計画性のないナンピンが悪」で自分を痛めつけることになる。

 

さらに、平均買値に戻ってきたときに売る「やれやれ売り」も気をつけなければいけません。

 

これがナンピン派のもうひとつの欠点です。

 

ナンピンして保有期間を伸ばすのなら、含み損から含み益に転じてたとしても、ここからまだ上がると思わるのなら保有期間を延ばして利益を伸ばすことを考えるべきです。

 

再び買値を割る恐怖心があると思うから、たぶんこれをするには結構な精神力がいるとは思いますが。

 

ここまで、大げさ例を挙げてしまった部分もありますが、投資する限り自分の能力を超えた不測の事態はいつ起こるかわかりません。

 

そういう最悪の事態が起こった場合のことを想定して、ナンピン買いのタイミングやナンピンをする株数を決めておいた方が良いです。

 

反発することなく下がり続けて株価が地面すれすれの低空飛行のまま最後は不時着してしまう可能性もないとは言い切れません。

 

とはいえ、デイトレや短期投資の本なんかでは、「さっさと損切りをして他の銘柄に投資した方が投資効率が良い」なんて言葉を目にするにもかかわらず、素早い損切りをして、他の銘柄に移っても、その銘柄で損をする場合もあるし、損切りせず持ったままの方が、損切りして他のを買うより効率がいい場合もあるかもしれません。

 

でもただ、素早く損切りをするということは、仕切り直しが出来る、やり直すことができることでもあります。

 

ライブドアショックやバブル崩壊後のように下げがひどくて、相場全体の雰囲気が良くない状態だったら、損切りした資金を投資にまわさずじっくり休みながら下げ相場を静観することもできます。

 

そんなときでもナンピンしている人にとっては、下げ続ける暴落相場の中、すごいストレスと恐怖を感じながら買い増して買い単価を下げようとしなければいけないってことになります。

 

私の経験上、ナンピンの行く末は「やれやれ売り」か「大底ブン投げ」しかないので良い思い出がありません。

 

ナンピン万能論者も結構いるかもしれませんが、ナンピン買いをするならその難しさも理解の上実行してましょう。

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