FX

スワップ狙いは危険。トルコリラの暴落から学ぶ「高金利通貨は下がる」理由


超高金利通貨のトルコリラが暴落しました。

トルコリラ暴落

トルコリラ円が1日で2割も下落

トルコリラ暴落

2割の下落は、レバレッジ5倍(資金の5倍分投資する)だとちょうど口座資金を全部失うことになります。

twitterでは強制ロスカットになったスワップポイント狙いの人の報告が多数

twitterを見ていると、目を覆いたくなるような惨状に直面しました。

トルコリラスワップ狙いロスカット トルコリラスワップ狙い強制ロスカット トルコリラスワップ狙いロスカット

このように、スワップポイント目当てでレバレッジを効かせてトルコリラを保有していた人は大きな損害を受けたと思います。

ただ、残念ながらスワップポイント狙いの人が通貨の暴落で強制ロスカットというのは、今回だけではなく、定期的に起きています。

投資を始めて間もない人で、そういう歴史を知らない人を中心に、このページでは、「スワップポイント狙いで増やそうと考えている人が知っておいてほしい現実と仕組み」をお伝えできたらなと思います。

僕が大学時代の就職活動で、アメリカの最大手の金融機関の日本支社の為替ディーラー部門にエントリーしました。

その最終選考が東京支社のディーリングルームで数日間インターンをさせてもらうというものでした。

実務に触れる合間に部門で働いている全員との面接や為替の講義がありました。

その講義のうちの1つに「為替スワップ」についての講義があり、これから説明する「なぜ高金利通貨は下落するのか」という勉強をさせてもらいました。

この説明のためには「為替スワップ」という専門用語を使う必要があるのですが、「為替スワップ」が出てくると説明が複雑になり、理解が難しくなるので、「為替スワップ」という言葉を省略しながら、できるだけシンプルに説明するようにします。

高金利通貨は下落する。その仕組みとは

スワップポイントをもらいながら、値上がり益もゲットできたら最高

誰もが一度はこういう想像をしたことがあると思います。

スワップポイントと値上がり益の両方をゲットできたらめちゃくちゃ良いですよね。

しかし残念ながら、そのような期待は夢でしかありません。

理論上、

高金利通貨は安くなり、低金利通貨は高くなる運命だからです。

その仕組みを、できるだけシンプルに説明します。

トルコリラ

現在のレートが1ドル100円だとすると、100万円をドルに変えると1万ドルになります。

また、日本の金利を0%、アメリカの金利を10%とします。

すると、アメリカで運用した場合、1年後1万ドルは、10%増えて1.1万ドルになります。一方、日本で運用しても金利はゼロなので1年後も100万円と変わりません。

トルコリラ暴落

1年後も1ドル100円で変わらなかったら、1.1万ドルを日本円に両替すると110万円となり、日本円でも10%増えたことになります。

もし現在のドル円のレートが100円で、1年後の先物レートも100円だとします。

それなら、金利0%の日本で100万円を持っていても金利ゼロで増えないので、現在のレート1ドル100円で1万ドルに両替すると同時に、1年後の先物レート(1ドル100円)で日本円に戻す予約をしておくはずです。

これだけでノーリスクで1年で10%増やすことができます。

つまりこういうことです

1万ドルを1年間アメリカで預けておくと金利が10%付いて1.1万ドルになる。

1年後1.1万ドルを先物で予約しておいた1ドル100円で日本円に戻すと110万円になる。

先物レートが1ドル100円で予約しておいたおかげで、ノーリスクで10%の利益を手に入れることができた。

しかし残念ながら、ノーリスクで儲かるこういうレートのまま、マーケットで放置されることはありえません。

今回の例の場合、1年後の先物レートは1ドル100円でなく、(利益は少なくなるものの)99円でも98円でも97円でもノーリスクで儲かります。

金融市場では、こういうノーリスクで儲かる価格がもしも存在していたら、一瞬で注文が入り、ノーリスクでは儲けることのできない理論値にレートが落ち着きます。

ということで、現在のレートが1ドル100円で、日本の金利が0%でアメリカが10%の場合、1年後は90,909円になるであろうというのが理論値になります。

先物理論レート

ということで、将来の想定レートというのは二国間の金利差によって決まりますが、その金利差を元に、どの国で運用しても同じ運用結果になるように先物レートが決まります

ですので、トルコリラのように金利が高い国の通貨はどんどん安くなり、低金利通貨は高くなっていきます。

国も人と同じで金利を高くしないといけないのはワケありだから

また、トルコリラの政策金利は現在17.75%という超高金利ですが、そこまで上げなければいけない理由があるから上げているんです。

人でもそうだと思います。借金の必要がない大金持ちほど、お金を借りる時の金利が低くて、返すために借りるというくらいお金に困っている人ほど借りにくく、借りられたとしても金利は高くなります。

 金利って(余裕があって)借りる必要がない人ほど金利が安く、(お金が必要で)どこでも良いからとにかく借りられるなら貸してほしいと思っている人ほど金利が高いんですよね。

ですので、金利が高いほどワケありで、何か問題を抱えていると思って間違いありません。

ということで、ワケあり通貨とも言えるトルコリラは、何かあれば暴落する要素を日頃から抱えているわけです。

金融界の生き字引である広瀬さんもこのように指摘しています。

広瀬さん高金利通貨ツイート

スワップポイントだけを見たらすごく儲かりそうですが、スワップポイントをもらいながら値上がり益を手にするという夢は、残念ながら、かなり都合が良すぎる計画だと断言します。

スワップポイントは打ち出の小槌じゃないんです。

スワップポイントは値下がりと相殺されてしまう運命なのですから。

それを示す一例を挙げて起きます。

下のチャートは永遠の高金利通貨であるトルコリラの2000年からの値動きです。

トルコリラ長期チャート

途中大きな下落なくヨコヨコに動いている期間がありますが、基本下げっぱなしの通貨だということが分かると思います。

このチャートを見る限り200円から17円まで下落しています。

スワップがあるとはいえ、買って勝てると思いますか?

これが超高金利通貨の真実です。

大きく下げた時に、「さすがに下げ過ぎだろう。スワップもらえるしこの辺で買ってみよう」と、下落時に買ってそのまま放置した人はいつ買っても悲しい結末になっているでしょう。

「100円!買いチャンスだ」
「90円!買いチャンスだ」
「80円!買いチャンスだ」
「70円!買いチャンスだ」
「60円!買いチャンスだ」
「50円!買いチャンスだ」
「40円!買いチャンスだ」
「30円!買いチャンスだ」

みんなやられています。

「20円を切ったから買おう」「15円台まで下げたら買おう」

こういう値ごろ感で買うのは、命の次に大事なお金を大切にしていないというしかありません。

もちろん、FXでトルコリラをやるのが問題なのではありません。

スワップポイントを期待し、

「1年で●●円スワップポイントがあるから、○○円下がっても大丈夫」

と、下がっても「スワップポイントを頼りにして塩漬けしますよ」という幻の安心感が頼りの、戦略になっているのか、なっていないのかよくわからない(なっていないけど)やり方に問題があるわけです。

繰り返しになりますが、「1年で●●円スワップポイントがあるから、○○円下がっても大丈夫」の〇〇円下がったレートというのが理論上の1年後のレート近くになりますから、広瀬さんの言う通り、わざわざ高金利にせざるを得ないほど苦しい実情がある国にお金を貸すというリスクを取る必要はありません。

スワップポイントは値下がりで打ち消されるのなら、超高金利通貨であるトルコリラでも結局、上がり下がりの売買タイミングで儲けるのとやっていることは同じですから、期待値が高そうな場面でない限り、短期投資でもスプレッドの狭い通貨や、相性が良かったり得意な通貨でトレードした方がよほど効率的です。

高金利通貨はスワップ狙いで買うより、売って暴落を待つ方がまだ救われる

ということで、値幅を取りに行く短期投資で買うのならともかく、値下がりで帳消しにされるスワップポイント狙いで中長期投資するメリットはないということはお分かりいただいたと思います。

それどころか、高金利にせざるを得ないがゆえに抱えている問題が表面化した時に、想定以上の暴落が待ち構えています。

ですので、トルコリラやアルゼンチンペソのような超高金利通貨は

下がれば儲かる「売り」で入って、今回のように抱えている問題が表面化し暴落した時に手仕舞う方が圧倒的に勝てる投資法です。

ただ、毎日スワップポイント分、資産が減っていくので感情的にはしんどいものがありますが、投資というのは感情のまま売買すると負けることが多く、感情と反対のこと(つまり、やりたくないなと思うこと)をした方が儲かる場合が多いのは間違いありません。

簡単に、楽に儲かる方法はない。投資を続ける限りずっと勉強と努力が要求される

ただ、スワップポイントを期待して買ってた人って、思いっきり稼ごうとしてたわけじゃなくて、スワップでコツコツ増えていったらなと思っていた人も多いと思うんです(とはいえレバレッジを掛けていたらなら年利30%、50%とかを皮算用してたと思うのですが)

そういう人たちが強制ロスカットされるのは、少し心苦しくかわいそうだなと思うところがあります。

しかし、マーケットは「初心者なので」とか「勉強不足で」という理由で手を抜いてくれる世界ではないので、やはり勉強不足、努力不足というのは時には致命的な問題を引き起こす事があるというのを改めて感じることができました。

お金は命の次に大切なものです、そのお金を運用する金融市場でプロの機関投資家や大富豪でもない我々一般人が、簡単に利益を得られる方法なんてあるわけないんです。

もし簡単に利益を得られる方法があると思ったなら、それは詐欺か、今回のトルコリラのように自分の勉強不足でリスクを理解できていないだけということになりますので、楽して儲かる話には裏があるということは、投資をする上で絶対に忘れてはいけない言葉なのです。

株式市場は世界で最も激しい戦場の1つだ
株式市場は世界で最も激しい戦場の1つだ株式市場は世界で最も激しい戦場のうちの1つだ 株式投資は成人であればだれでもできます。 証券口座を開いてお金さえ入金できたら誰でも投...

ブログランキング・にほんブログ村へ follow us in feedly

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で