特定口座の「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の違い。メリットとデメリット


特定口座の「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の違い

扶養に入っている専業主婦や学生の方、国民健康保険加入者に加入している自営業者とご家族や大学生等やフリーターの方などのは要チェックです!

証券口座を開設するときには
「特定口座・源泉徴収あり」 / 「特定口座・源泉徴収なし」 / 「一般口座」
の3つから1つを選択する必要がありますよね。

仕組みが良く分からないので、 どれを選択してよいか困ってしまう方が多いのではないのでしょうか?

まず、「一般口座」だけはどなたにとってもメリットがないので選択肢から外します。(理由は後ほど)

ですので、あと残っている「特定口座の源泉徴収あり」か「特定口座の源泉徴収なし」かの選択になりますが、ここが重要で、年間で利益が出た場合、どちらを選択するかによって、 支払う税金額や旦那さんの配偶者控除がなくなり税金額高くなったり、国民健康保険加入者の健康保険料が全く違ってきて、かなり高額な負担になる場合もありますので、特定口座の源泉徴収ありとなしの違いを理解することは不必要な損を避けることにもなります。

ということで、金銭的な影響が大きいので、「特定口座の源泉徴収ありとなし」に 関しては気合を入れて理解した方がよいと思います。

このページでも職業別、家族構成別で場合分けをして、できる限り分かりやすく「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の メリットとデメリットを研究していければと思います。

まず、「一般口座」ですが、これは年間の売買額や利益額を全て自分で計算しないといけないので非常に面倒なだけで、新しく口座を開設する方にとってはメリットが一切なく、 選択肢に入ることはありません。(昔は特定口座の制度がなく非常に面倒でした)

「一般口座」→ ×  新規口座開設者にはメリットが一切なし!

となると、後は「特定口座」の「源泉徴収あり」か「源泉徴収なり」の選択になります。

その前に、株の税金というのは、

株の税金・・・利益が出ないと税金は掛かりません。1月1日から12月31日の1年間に売却した株取引の総損益がプラスであれば、 その利益分に対して税金が発生。損した場合は税金が発生しません。

まずは、「源泉徴収あり」のメリット・「源泉徴収なし」のデメリットから

源泉徴収あり」・・・給料から税金が天引きされている仕組みに似ています。売買ごとにその年の1月1日からその日までの年間損益額を算出し、証券会社が税金源泉徴収(天引き)したり還付したりしてくれます。一番楽ですね。確定申告も必要ありません。

源泉徴収なし」・・・証券会社が源泉徴収(天引き)することはなく、年が明けてから証券会社が送られてくる1年間の売買損益報告書を用いて、自分で確定申告し税金を後で納付します。こちらはひと手間掛かります。

ということで、株の売買益に対する税金額の計算や納付は、「源泉徴収あり」だと、全て証券会社が天引きにして勝手にやってくれます。

「源泉徴収なし」だと、その言葉通り証券会社が税金を勝手に徴収して納めてはくれないので、自分で税務署にて利益額を申告(確定申告)をし、自分で納付しなくてはならず手間が掛かります。

ここからさらに、「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」を比較していきます。

給与所得者なのか、専業主婦なのか、旦那の扶養に入る限度内で働いている主婦なのか、学生なのかなどでメリット・デメリットが変わってきますので、わからなければ繰り返し何度も読んで下さい。

株の売買益は、給料やパート代と同じく、れっきとした「所得(譲渡所得)」になります。

通常、年間で株の利益が発生すれば所得が発生したことになるので、(利益額によりますが)扶養な範囲内の専業主婦やパートの方、学生などは旦那様の扶養から外れてしまいます。

そうなると、その年の旦那さんの配偶者控除がなくなり、株をしていない旦那様の税金額が上がったり、旦那さんの会社の社会保険に奥様やお子さんが入れなく(扶養の範囲外に)なり、一人国民健康保険と国民年金に加入しなければならなくなるなど、株取引とは関係ない部分(人)での「増税」が発生します。

それと同時に会社によっては、扶養手当や家族手当として支払われていた手当ても停止されてしまう場合もあるでしょう。

ただ、この問題が発生するのは確定申告をしたときだけです。

確定申告が不要の「源泉徴収あり」を選択し、証券会社経由で税金を納めると、売買益に対する税金はきっちり支払われるものの、確定申告の必要がなくなりますので、 株の利益を所得として申告する機会がなくなります。(ちょっと分かりにくいですが、税金は証券会社経由できっちり納めるけど、所得としては株の利益は計上しないということになります)

ということで、「源泉徴収あり」を選択することで、専業主婦の方や扶養から外れないように計算しながらパートをされている主婦の方が株の利益によって扶養から外れたり「配偶者控除」がなくなってしまうという心配はなくなります。

同様に、所得金額が翌年の保険料額に影響を与える国民健康保険に加入されている自営業者の方なども「源泉徴収あり」の方がメリットが出る方が多くなります。

先ほど、説明したように、「源泉徴収あり」にすることで「株の利益」は「所得」に含まれなくなります。いくら株で儲けても、株の利益は所得には計上されないので翌年の国民健康保険料に影響を与えることはありません。逆に「源泉徴収無し」で株の利益があった場合は、確定申告で株の利益を所得として申告するので、国民健康保険の保険料計算に株の利益分も含まれてしまいます(社会保険加入している場合は、社保の保険料計算は給料のみで計算されますので、源泉徴収ありでも無しでもどちらでも問題ありません)

ということで、誰かの扶養に入っている方国民健康保険に加入されている方は「特定口座源泉徴収あり」のメリットが非常に大きいです。

逆にあえて「源泉徴収なし」を選択する理由も見当たりません。

ここまでのところ、「源泉徴収あり」のメリットばかりで、「源泉徴収なし」はデメリットばかりになっていますが、その逆で「源泉徴収あり」のデメリット・「源泉徴収なし」のメリットもあります。

「源泉徴収あり」がデメリットになる場合

給料をもらっている方は、給料やアルバイトなどの給与所得以外の所得が20万円以下なら、それに対しての所得税は免除されます(住民税は課税)という制度があります。

「給与所得以外の所得」が20万円以下なら確定申告をしなくてもよい(つまり税金を払わなくて良いが脱税にはならない)ということです。

「給与所得以外の所得」とは何かということですが、その中に株の売買益(譲渡所得)も含まれますので、 株の年間利益が20万円以下で「源泉徴収なし」を選択していたら20万円以下の利益に対する所得税を支払う必要はありませんし、確定申告が不要なので、所得に計算されず配偶者等の扶養の判定や国民健康保険料のアップの心配もありません。

ただ、「源泉徴収あり」を選択すると、年間利益が20万円以下であっても利益が1円でも発生していたら、証券会社が税金を自動的に源泉徴収してしまいます。

もし、年間利益が20万円ちょうどでも「源泉徴収あり」なら所得税は源泉徴収(天引き)されますし、「源泉徴収なし」なら確定申告が不要なので、税金は必要ないということになります。

まあ、この点については、年間の利益がいくらになるかなんて、事前に分かることではありませんし、出来ることなら誰もが20万円以上儲けたいでしょうから、特に注目し意識しないといけないメリットではなさそうです。

1年を振り返りたまたま年間利益が20万円以下だった場合に使えるサービスという程度だと思います。

あとは、税金の支払い方法のついての差があります。

「源泉徴収あり」だと株を売却するたびに年初からの年間利益額とそれに対する税額を証券会社が計算し、 必要な税金額を私たちの証券口座から徴収(天引き)したり、損失を確定したら、今日時点での年間利益額は前日の時点での年間利益額より減ることになる(税金額は減少する)ので、損失確定により超過徴収となった分を証券口座に還付してくれます。

「源泉徴収なし」だと、年途中で税金を徴収されることは一切なく、翌年の確定申告で税額を決定しますので、後払いで税金を一気に支払うことになります。

利益が出るたびに税金を支払うのか、後払いで一気に支払うのか、利益額が同じならどちらにしても支払う税額も同じですが、 税金支払いの負担感や、すでに税金を支払い終えている安心感などで選択基準が個人差が出てくるところです。

また、「源泉徴収なし」のメリットは、税金を後払いにすることで、無利子で税金の支払いを何ヶ月も遅らせる効果がありますので、 国民健康保険ではない会社員の方など「源泉徴収なし」のデメリットがほとんどない方にとっては、確定申告の手間を考えても、税金の支払い後回しによる資金の効率化を考えると「源泉徴収なし」の方がメリットが多くなってきます。

このように「源泉徴収なし」の直接的なメリットがある方は、会社員の方か、国民健康保険はもともと上限額いっぱいを支払っている方で年間損益が20万円以下の場合のみだと思います。

また、年間利益は狙って20万円以下に抑えるものでもありませんので、株式投資で生計を立てている人以外は、基本的にはどなたでも「特定口座源泉徴収あり」を優先的に検討するのが良いのではないかと思います。

基本的に誰かの扶養に入っている方、国民健康保険に加入されている方は「特定口座源泉徴収あり」を選択することになると思います。

特定口座の源泉徴収ありとなしは変更できる。ただし、

最後になりましたが、「特定口座の源泉徴収」と「あり」と「なし」は変更することが出来ます。が、ただ変更のタイミングは非常に限られていてます。

年の途中で、やっぱり源泉徴収ありに変更しよう!なんてことはできません。

変更できるタイミングは、毎年1月1日以降で初めての返済(買ったものを売ったり、信用取引で売ったもの(空売り)を買い戻す)までの間だけです。その年の1度目の手仕舞いまでに変更届けを出さないといけません。

初めての返済以降に届出を出しても、その変更は来年から適用となってしまいます。ですので、基本は前の年に届出を出しておくということになります。

だから、今年はいい感じで儲かってるから旦那(お父さん)の扶養から外れてしまいそう、それを避けるために源泉徴収ありにしようと年途中で思い立っても、一度でもその年に株を売ってしまっていたらどうしようもありません。

というわけで、繰り返しになりますが、よっぽどのことがない限り「特定口座の源泉徴収あり」にしておくのがよいということになります。

※税制や証券制度が変更になる場合がありますので当ページの情報は最新のものと異なる可能性があります。口座開設前には必ず証券会社のHP等で最新の情報をご確認下さい。

まとめ

●前提

1.税金は、年間利益額に対して発生
2.株の売買利益は給料所得と同じように所得(譲渡所得)である。利益を上げることで扶養から外れたり、国民健康保険料がアップする(回避策あり。以下参照


「一般口座」は選択肢から除外。メリットなし

・「源泉徴収あり」も「源泉徴収なし」も、年間の利益額が同じなら税金額も同じ。

・「特定口座源泉徴収あり」は、証券会社が売買ごとにその取引までの年間利益額を算出し、税金を徴収(天引き)してくれるので、確定申告が不要。

利益に対する税金はしっかり支払うものの所得としての申告が不要なので、株の利益は所得にカウントされず、扶養に入っている人が扶養から外れるという心配がなくなります。
また、所得により保険料が変わる国民健康保険加入者にとっては、保険料が上がる心配がなくなるのでメリットが非常に大きいです(税金が天引きされ、確実に納税されるので納税率がアップしますし、国も収納作業の負担が減り合理化が図られるため、その代わりの見返りか?)

 

「源泉徴収あり」でも確定申告は可能(年間で損した場合は翌年に損失を繰越、翌年以降の利益と相殺できます)
ただし、利益が出ているときに確定申告した場合、利益は所得として申告することになるので、利益額によっては扶養から外れるなどの不利益が発生。

・「源泉徴収なし」を選択し、給料をもらっている方は、給料やアルバイトなどの給与所得以外の所得が20万円以下なら、確定申告不要。免税。20万円を超える利益(所得)は確定申告が必要。

・上記のメリット・デメリットから、「源泉徴収あり」をまず考える。扶養に入っている方、国民健康保険加入者は「源泉徴収あり」が基本。

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